まつげが「すごく長い」ミニチュア・シュナウザーを見かけたことありませんか?
「人間はそこまで長くならないよね?」
「オシャレのために、カットしなくて大丈夫なのかな?」
「かわいいだけ?それとも理由がある?」
いろんな犬種がいる中でも、「ミニチュア・シュナウザー」は特に、まつげが長くなるイメージがありませんか?
我が家も「ミニチュア・シュナウザー」を飼っており、トリミングをお願いする際に「まつげ」をどうするか聞かれることがあります。
既にミニチュア・シュナウザーを飼っている方も、これから飼おうと思っている方も、何故みんな長くしているのか、どんな役割をするのか、知りたいところではないでしょうか。
そこで今回は、ミニチュア・シュナウザーの「まつげ」についてまとめさせていただきます。
実は我が家の「アル」はまつげを短くカットするタイプです。
【まず結論から】
まつげの最適な長さは「目幅の1/3」
「長過ぎ」は控えましょう!
本題の前に!
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犬の「まつげ」が長い理由
ミニチュア・シュナウザーをはじめ、「まつげが長い」犬をよく見かけませんか?
ここでは犬の「まつげ」について、長くしている理由について、まとめさせていただきます。
犬にも「まつげ」はある
人間には目の上下にまつげが生えていますよね。実は、犬にもまつげが存在します。
基本的に犬は全身に被毛を纏う動物ですから、まつげとの境界線が分かりにくい犬種も中にはいます。その長さや、毛色によっても、まつげの見分け方が難しい子もいるでしょう。
しかし、いずれの犬にもまつげはあるのです。
ただし、人間のように上下に生えているわけではありません。犬のまつげは上側にしかなく、下まつげがない構造になっています。
その代わりに、犬には人間にない第2のまぶたと言われる「瞬膜」という器官があります。
犬は人間と比べて、長い時間瞬きをせずにいられますよね。これは、眼球を覆う瞬膜が涙を行き渡らせる役割を持っているからです。
ミニチュア・シュナウザー(ソルト&ペッパー)の場合は、
目頭側に黒い「瞬膜」がありますね!
人間の「まつげ」の役割
人間のまつげには、目にゴミなどが入るのを防いだり、目を乾燥から守るなど、主に目を保護する役割があります。
また、目を閉じるセンサーのような働きも持っているのです。異物などがまつげに触れたとき、反射的に目は閉じられますよね。犬や猫でいうヒゲと似た機能だといえるでしょう。
犬の「まつげ」の役割
それでは、犬のまつげにはどのような役割があるのでしょうか。実は、犬のまつげも人間とそう変わりない役割を果たしています。
目、眼球の保護をする
空気中に漂うチリ・細菌など、また異物・虫などから目を守る役割をもっています。シャンプーなどの際に、滴る水が目に入らないよう防ぐ、という活躍もしていますよ。
目の乾燥を防ぐ
瞬膜によって涙が補給されると前述しましたが、まつげはその水分の維持や、水分の蒸発を防ぐ役割をもっています。蒸発にいたっては、5割も防いでいるといわれています。
日差しから目を守る
頭上から降り注ぐ太陽光からも、目を保護する役割をもっています。
紫外線は犬にとっても大敵!そんな強い紫外線から眼球を守っているのです。
瞬きをさせる
まつげに異物などが触れると、脳から目を閉じるよう指示がでます。人間のまつげの役割で紹介した、目を閉じるセンサーのような役割が、犬のまつげにもあるのです。
犬のまつげも人間と同様、主に目や眼球を保護する役割を担っているということですね。
まつげは、意外と重要な働きをしているんですね!
まつげが長い犬種は?
犬のまつ毛の長さは被毛の長さによって変わってくる傾向にあります。犬自身の長い被毛から目を守るために長くなるのだそうです。
ミニチュア・シュナウザーやシーズーやなどの犬種はまつ毛が長くなる傾向にありますが、プードルはまつ毛が長くなりにくいなど犬種だとされています。
また、短い被毛の犬種でも目が出ている犬種はまつ毛が長くなるなど、「目を守る」役割を果たすために様々な傾向を持っています。
まつげが「長い」犬種
ミニチュア・シュナウザー、シーズーなどの被毛が長い犬種、スコッチテリアなどのテリア系の犬種は、まつげがが長くなる傾向があります。
- ミニチュア・シュナウザー
- シーズー
- マルチーズ
- ヨークシャー・テリア
- スコッチテリア など
ミニチュア・シュナウザーの「被毛」に興味がある方は、こちらも併せてご覧ください!
まつげが「短い」犬種
逆に、被毛が短い犬種は、まつげが長くなりにくい傾向があります。
- イタリアン・グレーハウンド
- ミニチュア・ピンシャー など
犬のまつげの「ギネス世界記録」
現在、最も長い犬のまつ毛としてギネス世界記録に認定されているのは、2014年の記録で17cm(6.69インチ)のようです。
これよりも長いまつ毛の愛犬がいたらギネス記録更新になりますね。
犬の「まつげ」はカットしたほうが良い?
まつげの役割について説明していきましたが、ここでは、まつげはカットするべきか、長くしておくべきかについてまとめさせていただきます。
犬のまつげに関する「飼い主の悩み」
犬種や個体によって、まつげの長さは様々です。
短い長さであれば、カットしよう!と考える方はほとんどいないと思いますが、もし愛犬のまつげが長く、視界の邪魔をしているのでは?目に入って逆に危険では?と悩んでいる飼い主さんも中にはいるかもしれません。
目を保護する役割をもつ犬のまつげですが、このまつげ…切ってもよいものなのでしょうか。
まつげには「最適な長さ」がある
まつげの役割を紹介しましたが、ある研究でまつげの最適な長さがあることが分かっています。
この長さは目幅の3分の1とされており、22の哺乳類が最適なまつげの長さを持っていることが判明したのです。
犬の場合、目幅3分の1以上の長さのまつげを有する犬が沢山いますが、これは被毛の長さによって差があると考えられます。被毛が長ければ、その長い被毛から目を守るために、まつげも長くなっているというわけです。
ただ、被毛の短い犬種にもまつげの長い犬がいます。ブルドッグ系の鼻ぺちゃの犬は、少し出っ張った目をもつ傾向にありますよね。この場合も、出っ張った目を守るためにまつげが長く伸びていると考えられます。
いずれも、まつげはその個体に適した長さで、生えていることが予想できますね。
カットする場合は「愛犬の様子」を見ながら
このようにまつげには適正な長さがあり、大切な役割があると考えると、カットするのは良くないように感じるかもしれません。しかし、被毛が伸び続ける犬種がいるのも事実。
あまりに長くて顔が見えない、視界が遮られている、ということであれば、一端カットしてみるのも手です。まつげは切っても、また伸びてきます。トリミングサロンなどで相談すれば、まつげのカットも可能でしょう。
ただし、まつげがもつ役割を忘れずに、愛犬の様子を日々観察しながら、飼い主さんの判断で行ってくださいね。
「逆さまつげ」の犬もいる
人間に起こるまつげの状態の一つに、「逆さまつげ」があります。これは、まつげが通常どおり目の外側に向かって生えるのではなく、内側(自分自身の目)に向かって生えてくる状態のことです。「さかまつげ」とも呼ばれていますね。
この逆さまつげによって、目の角膜が傷つき、充血・視力低下をもたらす場合があり、症状が酷ければ専門家による診療が必要となることもあるでしょう。
それでは犬にも、逆さまつげとなる個体はいるのでしょうか。
目の上側だけとはいえ、人間の様にまつげをもつ犬。実は、逆さまつげのような状態に陥るケースが考えられるのです。
まつげの異常には、以下の種類があります。
◎睫毛乱生…正常な場所にまつげは生えているが、向きが角膜に向いている。
◎睫毛重生…正常よりも内側に、まつげが生えている。
◎異所性繊毛…まつげが角膜に向かって生えている。
これらの異常から、涙やけ・目のしょぼつき・充血・角膜炎などを引き起こす可能性があります。
犬にとっては珍しい症状ではないので、愛犬がこれらの状態を経験したことがある、という飼い主さんは多いでしょう。
目の周囲の毛をカットしたり、刺激の排除となるケアをしていれば、ほとんどの場合に症状は解消されます。
全ての症状において必ず治療が必要というわけではありませんが、被毛の長い犬種であれば、定期的に獣医さんに診てもらうなどして症状の悪化を予防することが安心です。ケアの仕方を、獣医さんに相談してみるのもよいでしょう。
ただ、いずれの犬種にしても、目の充血や腫れなどの明らかな症状がみられた場合は、一旦病院で診察することをお勧めします。
「まつげが目に入ること」が原因の犬の病気
「逆さまつげ」や「まつげが長すぎる」場合は、愛犬の目に傷をつけてしまう可能性が上がってしまいます。
放置することで症状の悪化や病気を招くケースも考えられます。愛犬の健康を守るためにも、飼い主さんは適切なケアや、どのような病気が潜んでいるのかを知っておく必要がありますね。
目やまつげに関する犬の病気を一つ紹介しておきましょう。
眼瞼内反症・眼瞼外反症
一般的に先天的に発症することが多いといわれており、角膜や結膜が刺激を受けることで炎症を起こしてしまう症状のことです。まぶたが内側にめくれている状態を「眼瞼内反症」、外側にめくれている状態を「眼瞼外反症」といいます。
原因としては、先天的なもの以外にも、重度の結膜炎、外傷などによるまぶたの変形、眼の周囲や筋肉・神経の異常によって、まぶたのめくれ(内反・外反)がみられると考えられます。
眼瞼内反症
内側にめくれているまぶた自体、またはまつげが、角膜・結膜に刺激を与えている状態で、結膜炎や角膜炎を引き起こします。目に痒み・痛みが生じた結果、目やにや涙がみられるでしょう。
この状態が長期間繰り返し継続されると、角膜の白濁や、黒い色素沈着がみられるようになります。内反症の治療を施したとしても、角膜炎・結膜炎などが治りにくいケースもあるようです。
眼瞼外反症
外反症の場合、ほとんど下まぶたに発症します。外側へのめくれ(外反)のレベルが酷い場合、眼がまるで「あかんべー」をしたような状態にみえるようになります。これによって角膜・結膜が露出してしまうため、角膜炎や結膜炎を引き起こしやすくなってしまいます。
犬は、目の痛み・痒みによって目をしきりに気にするようになるのです。
こちらも内反症同様に、目やにや涙が多く見られるようになるでしょう。
その他の病気についてもまとめておりますので、参考にご覧ください。
治療と予防
いずれの場合も、外科的手術によるまぶたの矯正が、根本的に必要な治療となります。めくれの程度が軽度であれば、角膜・結膜を刺激しているまつげを抜いたり、点眼での内科的治療で改善することもあるようです。
内反症・外反症のいずれも、予防することは困難といえるでしょう。少しでも、愛犬のまぶたに異常を感じたり、目を気にする・痒がるなどのしぐさが頻繁に見られた場合は、一度獣医さんに相談してください。
放置することで、重症化する恐れもありますので、早めの処置をお勧めします。
本記事の結論
今回は、ミニチュア・シュナウザーの「まつげ」について、ご紹介しました。
最後に下記のように結論をまとめさせていただきます。
- ミニチュア・シュナウザーは「まつげ」が長くなりやすい犬種である。
- まつげには様々な働きがあり、目幅の1/3程度の長さが最適である。
- かわいい(おしゃれ)だからといって、まつげを長くし過ぎると、「眼瞼内反症・眼瞼外反症」などのリスクが上がってしまう。
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